二匹のカエルが、牛乳の入ったバケツに落ちてしまった。
這い上がろうとしたが、バケツの縁までは高く、壁はつるつるしてどうにもならない。
一方のあきらめの早いカエルはもう一匹に向かって言った。
「もうだめだ。僕たちはここから出られないよ。」
そして目を閉じ、バケツの底に沈んでいって溺れ死んだ。
もう一匹のあきらめの悪いカエルは「いやだ。死にたくない。何とかならないのか。」と、とにかく泳ぎまわり、出口を探したり、飛び上がったりしていた。
そうこうするうちに、いつの間にか足元のミルクが固くなってきた。
かきまわされた牛乳の表面がバターに変わっていたのだ。
カエルはその上から飛び上がって、バケツから出ることができた。
どんな苦しい状況でも、ときには絶望かと思われるような状況でも、必ずできることはある。
考え込んでいても活路は開けない。
立ち止まらずに、動き続けることだ。
そうすれば、思いもかけない可能性が見えてくるものだ。
まず、動くこと。
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