ところが、その優れた経営のために失敗を招き、トップの地位を失ってしまう――。
本書は、大手企業に必ず訪れるというこの「ジレンマ」を解き明かしベストセラーになった原著、『The Innovator's Dilemma』の増補改訂版である。
ハーバード・ビジネス・スクールの教授である著者は、この逆説的なコンセプトを、学問的体系に基づいた緻密な論理構成によって実証している。
事例として取り上げるのは、ディスク・ドライブや掘削機といった業界のほかに、ホンダが進出した北米市場やインテルが支配したマイクロ・プロセッサ市場など。
それぞれの業界で起きた「破壊的イノベーション」を検証し、それに対処できない大手企業の宿命ともいえる法則を導き出している。
優れた経営とされてきたものが、「破壊的イノベーション」の前ではすべて無効になり、逆にマイナスの価値さえもちうるという指摘にはただ驚かされる。
その点で本書は究極のイノベーション論であり、イノベーション・マネジメントの新境地を切り開いたものとして画期的な論考である。
「ジレンマは、解決できる」として著者が示す処方箋は、「成功体験」をもつ企業のトップはもちろん、イノベーションにかかわるすべての企業人にも必読の内容である。
増補された「グループ討論の手引き」は研修のテキストにも活用できる。利用価値の高い1冊だ。
ハーバードビジネススクールの講義を一般向けに分かりやすく解説した本です。
著者のクリステンセンは、トップ企業の入れ替わりが激しい業界に注目し、かつて業界でナンバーワンだった企業がなぜ新興企業に負けてしまったのか、経営者はどんな間違いをしてしまったのかを研究しました。
当初の予想では、業界の激しい技術革新の動きについていけなくなったのではないか。
また、経営者の“怠慢”や“驕り”が原因ではないか、と著者は考えていました。
ところが実際に調査してみると、著者が予想した「技術泥流説」や「経営者無能説」は間違いであることが判りました。
視点を変えて調査しなおした著者は、意外な答えを発見します。
それは、経営者が優秀で、優秀な社員を抱えた優秀な企業からは、業界の地図を塗り替えるような新技術(破壊的イノベーション)は生まれてこない。
気がついたときには、予想もしなかった新技術を開発したかつての弱小企業の勢いを止めることはできない、ということでした。
優良企業は、現在の顧客の声に耳を傾け、現在の顧客が求める要望を実現する技術開発を行い、生産設備に投資します。
しかし、このような現在の顧客の要求に応えるための通常の開発は、持続的なイノベーションであり、その中に「破壊的イノベーション」のヒントはありません。
優良な企業、優秀な経営者ほど「破壊的イノベーション」に遅れをとってしまう。
著者は、このイノベーションのジレンマの由縁を丁寧に解説し、後半ではこのジレンマを抜け出す方策も教えています。
本書の最初の版がアメリカで発売されるや、二つの大きな賞を受賞し、ベストセラーになりました。アメリカのビジネスのやり方を革命的に変革したとも言われます。
名著の評判に間違いはありませんでした。
経営者はもちろんですが、技術者も興味深く読める一書でした。
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