自分の中に毒を持て あなたは“常識人間”を捨てられるか
「芸術は爆発だ!」お馴染みの著者「岡本太郎」が1993年に出した文庫本の新装版。
亡くなる3年前に書き残した。
今を生きる人々を叱咤激励している。
自分の人生を振り返って、この世に生まれ出た瞬間から(覚えているわけではないだろうが)、小学校時代、パリ留学時代、今日に至るまでを「決められた枠にはまらずに、自分の思いを爆発させ続けてきた連続だ」と言う。
著者の主張は明快だ。「集団に馴染むために個性を殺すな。1人ひとりが本気で考え、自分の思いを爆発させなければ、世界はつまらなくなる」。
何かを生み出すためには、自分を追い込むことが必要だ、という言葉は芸術家として生き抜いた著者の叫びだ。
数々の前衛的な芸術作品に込められた熱く厳しいメッセージが伝わってきて、勇気づけられる。
価値観が違うとはよく使われる言葉であるが、タイトルからすれば岡本太郎は私とはずいぶん価値観の違う人のように思えた。
人と意見を異にするとき、普通はこうでしょう、常識でしょう、という言い方には逃げがあると思う。
だけど私は常識とは他人同士が気持ちよく暮らしていくためのルールだと思ってきた。
だから、あるとき常識って何?と問われたとき偶然この本を手にとった。
人は言葉だけではなかなか真意を伝えることができない。
またその人を知ろうとしないうちには魅力も見えてこないことがある。
岡本太郎は生前自分がエキセントリックな芸術家というイメージだけで見ていたのとはまったく違う人間的で情熱的でわがままでとても魅力的な男だったんだと感じた。
自分の価値観を気持ちよく広げられる、すごいかっこいい友人に出会えたような素敵な本である。
悩みと真正面から向き合えたら、本当は悩みも解決できるのでしょうけど、その強さ、勇気がないから、いつまでも現状打開出来ない。
そういう人が世の中多いと思います。
悩み癖、負け癖を自分で積み上げている。
でも岡本さんのこの本を読めば、必ず勇気が湧くことでしょう。
買って1時間ほど、本に向かって「そうだ!」「oh yeah!」「全くその通り!」と、声を上げながら、あっという間に読んでしまいました。
本に向かって叫びながら読むなんて初めてです。
強力に、お薦めします。
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