決して難しい言葉や表現を使ってないのに、何故か、新鮮な言葉。
決して世間に媚びず、前向きに人生を凝視している。
背筋を伸ばして凛としている言葉たち。
冒頭の「自分の感受性くらい」を読むと、頭をガーンと叩かれた感じになる。
『自分の感受性くらい』茨木のり子
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
人間の醜さを認めながらも、人間を愛している詩人の茨木のり子。
無駄口ばかり叩いている僕だけど、この詩集を読む返すたびに自分が恥ずかしくなる。
本当のことを語るのに、そんなに多くの言葉はいらないんだよ、と教えてくれる。
どの詩を読んでも魂が洗われていく。
いい詩は「飛躍」がある。
いい詩は世界を「別の視点」で見せてくれる。
僕は惰性に流され生きているなと、気が付いたら、必ず、この詩集を開く。
この詩集『おんなのことば』は時には僕を叱ってくれ、時にはより多く、励ましてくれる。
全然、関係ないのだが、茨木のり子さんは僕と同じ薬学出身なので、それだけでも嬉しくなってしまう(もう、故人になられている)。
茨木のり子さんが詩の楽しみ方や感じ方を書いた『詩のこころを読む』(岩波ジュニア新書、1979年)は小中学生用に書かれたものだが、大人でも十分に考えさせてくれる本になっており、なるほど、詩はこういう味わい方をするのね、と教えくれる。
この『詩のこころを読む』と、今まで読んでいた詩も別の味わい方を感じさせてくれる。
砂漠の中のオアシスのような詩集『おんなのことば』は、「詩はちょっと・・・」と照れているあなたにもお勧めのできる詩集です。
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