2011年5月20日金曜日

今必要なのはトップダウンのリーダーか、それともボトムアップのリーダーか?

ひとりの人間が超人的に頑張る小説が好きだ。

「ホワイトアウト」(真保裕一著)のダム管理人のように、あるいは「テロリストのパラソル」(藤原 伊織著)に出てくるバーテンのように、ひとりの人間が危機に際して、超人的に頑張る話が好きだ。


ホワイトアウト (新潮文庫)

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だけど、現実の場面では(特に日本では)、一個人のスーパーマン(ウーマン)の頑張りよりも、チームワークを組んで危機に臨む、ということが多い。

今の日本がまさにそうだ。


管総理が超人的に頑張ったところで、なんともならない。(だからと言って、頑張らなくていいというわけでは、もちろんない。)


現場の人間をいかに統括するか。

そのためには、普段から現場の掌握に努めていないといけない。

大工の棟梁のように。
あるいはオーケストラの指揮者のように。



福島原発の現場で奮闘している人たち。

避難所で炊き出しなどで頑張っている人たち。
がれきの中で呆然としながらも、行政機能を発揮させようとしている市役所の人たち。

こういう人たちのリーダーは普段から現場の人たちとのコミュニケーションを欠かさない。

危機に瀕して、いきなり、そう言われてもな・・・というのが日本人かな。



トップダウンでいくか、ボトムアップでいくか。

たとえば、カルロス・ゴーンは明らかに「トップダウン」タイプのリーダーだ。

「9.11」の時のニューヨーク市長「ジュリアーニ」もそうだった。


だけども、今、日本丸に必要なのは、「ボトムアップ」タイプのリーダーだ。(一般的には管総理の強力なリーダーシップを求めているけれどね。)

復興・復旧に向けて、学識経験者の意見を聞くのもいいのだが(ご意見噴出で収集がつかないようだ)、現場で、今、まさに、今、困っていることを速やかに解決していってほしい。

もちろん、その場しのぎというわけではなく。



昔から、鬼監督がいる現場は強い、と言われているが、現場の意見を日頃から吸い取っているからだ。

だから、いざ、というときに、鬼監督の指示が徹底される。

日頃、現場を軽んじているリーダーの声に現場の耳を向けさせるのは困難だ。

まずは、被災者のみなさんのプライバシーが確保できる安住の場を早急に作ることだろうね。

震災に強い街づくりは、そのあとでやればいい。



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