2011年5月2日月曜日

自分の感受性くらい自分で磨け●茨木のり子詩集『おんなのことば』

ポケットに入る詩集なのに、その中身には人生が凝縮されている。

決して難しい言葉や表現を使ってないのに、何故か、新鮮な言葉。

決して世間に媚びず、前向きに人生を凝視している。

背筋を伸ばして凛としている言葉たち。


冒頭の「自分の感受性くらい」を読むと、頭をガーンと叩かれた感じになる。



『自分の感受性くらい』茨木のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて


気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか


苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし


初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった


駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄


自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ





人間の醜さを認めながらも、人間を愛している詩人の茨木のり子。


無駄口ばかり叩いている僕だけど、この詩集を読む返すたびに自分が恥ずかしくなる。

本当のことを語るのに、そんなに多くの言葉はいらないんだよ、と教えてくれる。

どの詩を読んでも魂が洗われていく。



いい詩は「飛躍」がある。

いい詩は世界を「別の視点」で見せてくれる。


僕は惰性に流され生きているなと、気が付いたら、必ず、この詩集を開く。

この詩集『おんなのことば』は時には僕を叱ってくれ、時にはより多く、励ましてくれる。


全然、関係ないのだが、茨木のり子さんは僕と同じ薬学出身なので、それだけでも嬉しくなってしまう(もう、故人になられている)。



茨木のり子さんが詩の楽しみ方や感じ方を書いた『詩のこころを読む』(岩波ジュニア新書、1979年)は小中学生用に書かれたものだが、大人でも十分に考えさせてくれる本になっており、なるほど、詩はこういう味わい方をするのね、と教えくれる。

この『詩のこころを読む』と、今まで読んでいた詩も別の味わい方を感じさせてくれる。


砂漠の中のオアシスのような詩集『おんなのことば』は、「詩はちょっと・・・」と照れているあなたにもお勧めのできる詩集です。


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