2011年8月23日火曜日

問題解決ファシリテーター―「ファシリテーション能力」養成講座

コンサルの間で注目されているファシリテーションの解説書。
戦略型リーダーに必要とされる組織の力を発揮させ、問題解決を実現させる技術を事例をもとに指南。

本書では、「組織のパワーを引き出し、優れた問題解決に導くためにはどうすればよいか」をテーマに、ファシリテーションという新しい概念を紹介していく。

読みやすく分かりやすい印象を受けました。

・文章が横組みである。
・解説の文章と、見開きにほぼ一つある図表が互いに補完し合っている。
・用語の定義がきちんとされているため、私のような初心の者にも分かりやすい。
・エクササイズとその解決策という形で解説がされている。
・こうした場面ではこうする、という対応策が、順序立てて解説されている。
・発言者、相手をしっかりと受け入れるという姿勢が強調されている。
・問題解決の主体が組織であるという立場をとっている。

ビジネスにおける問題解決場面でのファシリテーションが主体です。
そうした場に馴染みの薄い私には、第3章「応用編 ファシリテーションを支援するツール」の1「創造的な問題解決と学習を生み出す ワークショップ」は難しい印象を受けました。
第4章「実践編 ファシリテーションの現場から学ぶ」の2「市民参加のまちのビジョンづくり―合意形成型のケーススタディ―」で取り上げられていた、すべての人に受け入れられる答えを見いだすための協働作業でのファシリテーターの役割に学ぶところが多かったように思います。

ファシリテーションのコンセプトや基本的な考え方がとてもよくまとまっていて、初めてファシリテーションにふれる方が理解しやすい内容になっています。
そういう意味で、入門書として大変に良い本だと思います。
入門書ではありますが、あくまでも「ファシリテーション」の目指すところは「組織の意思決定の質を高める」という考えが前提にある内容です。
他にも自律的な行動を引き出すため、みんなの思いを共有するため、モチベーションを向上するため、クリエイティブなアイディアを出すためなど、目指すものは色々とあるかと思います。
この著者も他の本を書いて他のアプローチに言及していますし、いろいろなファシリテーションの仕方があるので、この本だけではなく、どんどん色々な本を読んでみて、前提になっている「ファシリテーションで目指すところは何なのか」を考えながら、本当に自分の仕事にとって意味のあるファシリテーションの仕方を見つけることをおすすめします。

日本だと「会議進行役」というイメージの強いファシリテーターですが、 実際はそうではありません。
全てを黒子としてうまく調整していくリーダー的存在。
専門用語についてもひとつひとつ丁寧に説明されていて、 図や表で示されていてわかりやすい本です。

ファシリテーターについて知りたいという人はまずこの本をぜひ!

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